中国北部にある小さな村には昔から「寺の裏に家を建ててはいけない」という言い伝えがあった。

村の人達は長年その言い伝えに従って生活してきたのだが、二十年程前、余所から移住してきた人達によって寺の裏に家を建てる計画が持ち上がった。

昔からそこにいる村人達はもちろん反対した。

しかし急速に近代化が進んでいた当時のこと、根拠のない迷信だと一蹴されてしまった。

 

果たして、村人達の反対をよそに九戸の家は完成した。程なくしてそれぞれに新しい住人が入居し、村は俄に賑やかになった。反対していた先住の村人達も彼らを温かく迎えた。

 

ところが、彼らがそこに住んだのは僅か二年程。

彼らは立て続けに亡くなり、家屋の完成からたった二年の内に殆どいなくなってしまった。

残った家族も逃げるように他の土地へと去って行き、新築の九戸の家だけがそこに捨て置かれた。

新たな入居者が来るはずもなく、そのうちに家は寺と共に取り壊された。

 

長らく更地だったそこは2018年現在、高層マンションが建設されているそうだ。

 

 

住人の死因

高層マンション建設にあたって、村人達に対し「九戸の住人の死因は癌だった」という説明がなされたという。使用された資材に発癌性の物質が含まれていたとのこと。

しかしながら、当時近隣の村に住んでいた人はこう教えてくれた。

「寺の裏の人達が亡くなったのはそれぞれ別の原因ですよ。事故とか病気とか。病気の人も癌ではなかったはずです」

 

 

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