彼女は穿いていたロングスカートを太ももまでたくし上げて、それを見せてくれた。
青黒くて縦に長い円形の痣。
かつて彼女は人の道に外れた恋をしていたという。
「噛み癖のある人だったの」
羽織っていたカーディガンから腕を抜き、右肩をこちらに向ける。
楕円形の痣はそこにもあった。
結局、二人の関係が周囲に知られ、彼女は全てを失うことになる。それが四年も前の話。
消えない歯型というわけではないそうだ。
彼と引き離されて四年経った今、再び現れたのだという。
太ももに、右肩に、人には見せられない場所に。
果たしてそれは愛の記憶か、それとも執着か。
なんか考えさせられる話ですね。
この話を聞いて(読んで)色々な事を感じる。と言うか考察できる。と言うか…。
余韻に浸れる良いお話に感謝ですm(__)m
ただの奇談ですので、難しいことは何も考えずに楽しんで頂けるとうれしいです。