地下鉄の怪 乗客篇

今から五十年ほど前、中国は北京で地下鉄の開通工事が行われた。
工事が始まって間もなく、作業に携わっていた人達から「幽霊を見た」、「誰もいない場所で人の声が聞こえた」等といった奇妙な報告が相次いだ。(『地下鉄の怪 作業員篇』

 

行政は地鎮祭を行い「深夜は工事をしない」と決定した。地鎮祭のおかげか、その後霊障はなく工事は無事に終わった。

しかし開通後しばらくすると、深夜でも電車が走るようになった。すると再び奇妙な噂が広まる事となる。

ある日、最終電車がA駅を少し過ぎた辺りで突然車内の電気が消えた。
次の駅についたが、そこも停電らしく真っ暗だった。何も見えない中、電車から降りた人達のざわめきだけがホームに響いていた。

再び電車が走り始め、しばらくして車内が明るくなった。停電から復旧したようだ。

と、車内に次の停車駅を知らせるアナウンスが流れた。

 

「次は、B駅」

 

乗り合わせていた人たちは思わず顔を見合わせた。

A駅の次はB駅。
二つの間に駅は存在しないのである。

では、暗闇の中で停車したあの駅は一体――

 

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