召喚術

放課後の教室で三人の女子生徒が笔仙(ビーシェン)を召喚しようとしていた。

様々な文字を書いた紙と一本のペンで呼び出せる。呼び出したところでそれは目には見えないが、ペンが紙に書かれた文字を指し示すことにより色々な質問に答えてくれるのだそうだ。
紙に対し垂直に立てたペンを三人で握りながら召喚の詞を読み上げる。

すると、ペンがぴくりと動いた。

成功したと喜んだ彼女らは質問を投げかけた。が、動きはするものの、その答えはまったく意味をなさない。言葉であるのかすら怪しいものだった。

だんだん飽きてきた彼女らは「もう帰ろう」とペンを放り投げた。
一人の生徒が紙を折りたたんでゴミ箱に捨てようとした時、妙な声が聞こえた。
何かを喋っているような気もするが、聞き慣れた言葉ではない。他の二人には聞こえていないようだったので気のせいということにして家路についた。

その夜、紙を捨てた女の子が死んだ。
自殺だったのだが、その理由は家族にも友人にも分からなかった。

それからさらに数日経って残されたうちの一人が自殺した。
こちらも理由は不明だが、死ぬ直前、彼女は「変な声が聞こえる」と話していたそうだ。

残る一人の女の子は「声が聞こえたら次は私の番」と怯えていた。
その後の彼女の消息は、誰も知らない。

言わずと知れたこっくりさんである。
世界中にこっくりさん遊びはあるが、中国では硬貨ではなくペンを使う。ちなみに「仙」は仙人などのように、主に世俗を超越した存在という意味であるが、仙人レベルの幽霊を召喚できるというわけではない。

それにしても、中国のこっくりさんは日本のそれと比べて無慈悲であるようだ。

 

色んな国のこっくりさん

テーブル・ターニングが起源の占い(或いは降霊術)は国や地域ごとにその方法や用いる道具が異なる。
中国大陸では前述の通り紙とペンだが、台湾では新聞紙と皿を用いるのだそうだ。

 

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