芋虫

中国の大学生Dさんから聞いた話である。

彼女のお祖母さんがまだ若い頃、トイレは所謂汲み取り式だった。日本のように汲み取りの業者がいるというわけではなく、自分たちで処理しなければならなかったそうだ。

ある日、掬い取った汚物をバケツに入れていると、何かが動いているのに気がついた。
よく見るとそれは大きくて白っぽい芋虫だった。虫が大嫌いなお祖母さんは芋虫を地面に叩きつけ、更には足でジャリジャリとすり潰してしまった。

それから程なくして、お祖母さんの家は事業に失敗。どうしたって返しきれない程の借金を抱えることになった。
結婚して家を出たお祖母さん以外は死ぬまで極貧の生活から抜け出せなかったという。

「祖母の住んでいた地域では、家の守り神は便所にいると言われていたそうです。きっと祖母の殺した芋虫がそうだったんです」

ちなみに、Dさんがこの話をしてくれたきっかけは『トイレの神様』である。
彼女は日本との妙な共通点にとても感動したのだそうだ。

 

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