影に纏わる三篇

これからご紹介する三つのエピソードは聞いた時期も場所もそれぞれ異なっているが、妙な共通点がある。

中国北東部には十六世紀に建立された建物があるのだが、ある時、立入禁止のはずの建物の窓に女性の影が映るというちょっとした心霊騒動が起こった。

多くの人が目撃したそれは、髪を大きく結い上げた清の時代の女性の影だったという。
また、影が見られるのは決まって雨の日だったそうだ。


一九六〇年代、アメリカ南部のとある町に夫婦と息子二人の四人家族が住んでいた。
家族は「グリーンハウス」と呼ばれる、その名前の通り外壁が緑色の家で仲良く暮らしていた。しかしある時、兄弟が事故で亡くなってしまう。

それ以来、雨の夜になると家の窓に兄弟の影が映るようになった。

五十年以上経った今でもグリーンハウスはその場所にあり、雨の夜には時々影を見ることができるという。


数年前ベトナム南部の農村で、若い女性が自宅で首をつって自殺した。
それからしばらくして、雨の夜になると彼女の家の窓に不気味なものが映ると噂になった。

窓に映るのは、首をつって天井からぶら下がっている女性の影だったという。

様々な国で怪談を蒐集していて感じるのは相違点よりも共通点が多いということだ。言葉や宗教の差異をも超越する、それこそ怪異が怪異たる所以なのではないだろうか。

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