座敷童

元同僚のFさんの実家は、当時働いていた職場のある県から新幹線で2時間くらいの場所にある。
彼女の実家では不思議なことが頻発していたらしい。

毎晩、布団で寝ているFさんをまたぐようにぴょんぴょん飛び跳ねる3~4歳くらいの二人の男の子。
廊下を徘徊する老人。
他にもあれこれとレギュラーで登場するあちらの世界の人たちと同居していたらしい。

一番怖かった体験について聞くと、少し考えてから教えてくれた。

その日、Fさんは一人でキッチンに立って昼食の準備をしていた。
するとキッチンの奥の座敷の襖がスパーン! と大きな音を立てて閉まった。

(弟がいたずらしているんだ)

そう思ったFさんは座敷に向かって「あんたもご飯食べる?」と声をかけた。

しかし返事はない。
少々苛つきながらも出来あがった昼食を一人で食べていると、キッチンの横にある玄関から弟が「ただいま」と顔を出した。

座敷から人が出てきた形跡はない。
怖くて、わざわざ確かめに行くことはできなかったそうだ。

「その時は家族と一緒に住んでたからまだよかったけど、今は一人暮らしだから怖いんですよね」
Fさんは会社から徒歩5分ほどのマンションで一人暮らしをしていた。

――こっちのマンションにも何か出るんですか?

「寝てたら二人の男の子に両側から腕を引っ張られるんですよ」

あぁ、幽霊って新幹線乗れるんですかね、なんてふざけた返事をしてしまった。

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