客寄せゴースト

アメリカ西部のとある町に小さな骨董品店がある。

ある時、店主がポルターガイスト現象に見舞われたり、閉店後の誰もいない店内をふわふわとうろつく女性の姿が目撃されたりと、奇妙なことが頻発した。

このことが人伝に広まり、町でちょっとしたニュースになった。当時は店主の体験談を聞くために集まったオカルトファン達で店は連日賑わっていたそうだ。

アメリカではこのような話はよくあることで、幽霊が出ることを売りにしたホテルについてはご存知の方も多いだろう。
それだけでなく「心霊スポットハイキング」などというオカルトイベントをローカルテレビ局のニュース番組で取り上げ、参加者を募ったりもしている。さらに幽霊の目撃談が多い場所や、歴史的にいわくがある場所などは有料の見学ツアーが行われている。

面白半分でそういう場所へ足を踏み入れて大丈夫なのだろうか、と日本人である私は考えるのだが、彼らは面白半分ではなく真面目に足を踏み入れているのである。

私も前述の見学ツアーに参加したことがあるのだが、ツアーガイドは真面目にその土地の歴史と心霊現象を語り、参加者もまた真面目にガイドの話を聞いていた。

日本の座敷童は遭遇すると幸せになれるというが、普通の幽霊でもアメリカでは利益をもたらしてくれるようだ。

ちなみに、例の骨董品店も「話を聞かせてくれたお礼に」と言って買い物をして行く人が多かったそうだ。しかしながらいくつか返品された物もあるという。
理由は、骨董品を持ち帰った日から家の中で変な音がするようになったから。

オカルトを真面目に楽しむ彼らも、自身が体験者になるのはやはり怖いらしい。

 

ポートランド

 オレゴン州にある都市で、地下通路「シャンハイ・トンネル」が有名。かつてこの地下通路では奴隷売買が行われていたという。忌まわしい歴史はシャンハイ・トンネルのツアーで学ぶことができる。

 

 件の骨董品店は「Hoodoo Antiques & Design」という名前で、現在もポートランドのダウンタウンで営業している。

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